マンション管理において管理会社が果たす役割は大きい
一般に分譲マンションを購入すると「自動的」に管理会社が指定されていますが、 ここで指定されている管理会社は、その物件を手掛けたデベロッパーの子会社や関係会社である場合がほとんどです。
もちろん、形式的には「管理組合が管理会社を選んだ」という立て付けになっており、物件購入時の書類でこれを承認するのですが、入居前に異議を唱えたところで、この事実を覆すことは難しく、既成事実として自動的にデベロッパー指定の管理会社を使うことになります。
そして、一度選んだ管理会社を変更するには、マンション住民で結成するマンション管理組合で承認され、管理会社との契約条件を履行しなければならないので、管理会社の変更は相当大変な作業となります。
従って、管理会社に不満があって、管理組合が自分達でマンションを管理していく「自主管理」に変更するのには高いハードルがあります。ところで、管理会社の主な仕事は何かというと・・・
(1) 管理人さんの管理·監督
(2) 設備の管理
(3) 管理組合の管理費・修繕積立金の徴収・管理
(4) 住民同士のトラブルの仲介
といったところです。
これらの業務を自分達で行うとなると、マンションの管理組合が自ら・・・
(1) 管理人さんを選び・雇い・勤務評価をする。
(2) 設備についても何をどのように修繕するかを0から自分達で決める。
(3) 管理費や修繕積立金を滞納している者がいれば催促し(滞納者が住戸を賃貸に出している場合、別の場所に住んでいるオーナーに催促をしなければなりません。また、徴収した資金を特定の誰かが責任をもって保管しなければなりません。
(4)当事者同士が話し合いを行うことになるので、マンション内で意見が分かれて意思決定が全く進まなくなることになります。
実際に管理会社が果たしてくれている役割を考えると、 管理会社なしでマンション運営をしていくのはあまり現実的では無いように思います。
実際、私の知人が住んでいる築30年以上の青山のビンテージマンションでは、マンションができた当初から住んでいる「重鎮」が全てを取り仕切っていて、重鎮が望まない変更は一切行われず、修繕積立金などの保全も怪しい点があるとのことなので、このような状況を避けるためにも第三者である管理会社の存在は重要なのだと思います。
とは言え・・・管理会社がデベロッパーの子会社である必要はない。
管理会社は重要だと思っているのですが、その管理会社がデベロッパーの子会社である必要はないと思っております。
もちろん、デベロッパーの子会社であるということは、物件に関する情報を多く持っていると言えますので、その点では有利だと思います。
しかし、管理会社には住民の利益を最優先にして行動をしてほしいと思う管理組合の希望とはうらはらに、親会社であるデベロッパー及びそのグループ会社の意向を尊重せざるを得ない状況に直面してしまいます。
例えば、マンションの設備や設計に問題があったのではないかという意見が管理組合で出ても、管理会社は単純にその意見を親会社であるデベロッパーに伝えて、回答を貰うという単なるメッセンジャーになってしまいます。
また、補修や修繕の為の見積もり依頼をしても、大半の場合は見積もりがデベロッパーのグループ会社や既存の取引先からとなっており、本当にベストな見積もりが取れているのかが怪しいケースというのも散見されます。
もちろん、ビジネスなので自社の利益を最大化しようという意図が働くので仕方のないことだとは思うのですが、このような状況が続くと、デベロッパーとは無関係の独立系の管理会社を選ぶという選択肢も視野に入ってきます。
そこで調べてみると、独立系の管理会社というのは結構あるのがわかります。
それぞれ得意分野があるようなのですが、デベロッパーに引っ付いて自動的に選任される管理会社よりも、顧客満足度に関する意識が高く、住民目線で物事に対応をしてくれそうです。
それぞれを調べて詳細に検討をしなくてはなりませんが、デベロッパー系の管理会社を変えるという大変な面倒を乗り越えてでも可能性を探るメリットはあるのかもしません。
また、独立系の管理会社がどのようなサービスを提供しているかを学ぶことによって、 既存のデベロッパー系の管理会社がどのようなレベルで仕事をしてくれているかを測る基準を持つことになると思いますので比較検討は非常に有効だと思います。
次回の理事会で提案してみようかなと思っています。
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