(番外編)大規模修繕積立金が足りない!白金の有名マンションが直面する問題はあなたのマンションでも起きるかもしれない!

不動産一般
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ランニングコストは物件の価値を左右するのです。

たくさんのモデルルームを見学して、お気に入りの物件を探し当てた方が、最初に気にするのは「それで、この物件ていくら?予算内?ローンは組めるかな?」というものだと思います。そして、無事に物件価格に関する壁をクリアすると、次に気になるのがランニング・コストです。

ランニング・コストとは管理費(管理人さんへの報酬)や修繕積立金(マンションの修繕に使う積立金)、駐車場代など、住宅ローン以外で毎月支払わなくてはならないコストのことなので、一般的には少ない方が良いと考えられます。

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修繕管理費といったランニングコストが安いことは、必ずしもメリットとは言えません。

実際、不動産業者が物件を売る時にこのランニング・コストが低いことをメリットとして挙げていることもあります。

しかし、12年目ぐらいを迎える物件が、大規模修繕(紫外線により劣化した外壁の塗り替え、屋上の防水処理、機械式駐車場のメンテナンス等)をする際に「修繕をするためのお金が足りない!」という状況が、およそ4割程度のマンションで発生する可能性があるそうです。

「長期滞納者」が多くいるという状況が一つの原因として挙げられます。どの物件でも散見されることなのですが、特に外国人投資家がこぞって買い漁った都心部の物件で多くみられるとのことです。

深刻なのは長期修繕計画どおりに集金できているのに、修繕ができないという状況。

しかし、より本質的に深刻な問題なのが「長期修繕計画どおりに積み立てを行っているのに、修繕の為のお金が足りない」という状況です。最近では特にこのケースが多くみられます。

長期修繕計画というのは、マンションの修繕を計画的に行うことでマンション自体の劣化を防ぎ、修繕にかかるコストを計画的に準備しておきましょうというものです。
国土交通省が「長期修繕計画作成ガイドライン」というものを作っており、多くのマンションではこのガイドラインにそって独自の修繕計画を作っています。

2006年から2008年に建てられたマンションが最初の大規模修繕を行う時期に差し掛かっているのですが、当時作られた修繕計画だと大日本大震災による職人さんのコスト増や、オリンピックに向けた建築費の上昇などを織り込んでいないので、当初予定されたマンションの修繕を行うとなると、全くお金が足りないという状況に直面しているマンションも多いとのことです。

実際、白金にある2006年築の有名高級タワーマンションでは、当初予定していた修繕を行う為の見積もりをとったところ、必要額に対して60%分しか積立金がないことが判明しました。(ちなみに、このマンションは修繕費の長期滞納者は皆無ということです!)

修繕費用が足りないと先延ばしをすることに。そして物件の劣化は早まる。

結局、マンションの管理組合で居住者に追加負担を求めるかの採決をとったところ、これが否決となってしまったので、大規模修繕自体を2年間先延ばしにした上、2年後の修繕も必要最低限にとどめることでようやく合意が取れたとのことです。

この決断は、マンション自体の劣化を早め、長期的には資産価値を下げるということなのですが、やはり追加負担は敬遠されるもののようです。

では、購入者としてどのようなチェックをするべきなのでしょうか。

現在のコスト基準で言うと、大規模修繕を行うには1戸あたり少なくとも100万円程度の積立金が必要であると言われています。つまり、総戸数100戸のマンションの場合、大規模修繕には少なくとも1億円程度の資金が必要ということです。

最初の大規模修繕が12年目であれば、年間に833万円=「毎月70万円程度」は積み立てないと「修繕金が足りない!」ということになりますので、少なくともこの金額が達成されている修繕計画であるかを不動産会社に確認しましょう。

さらに中古物件であれば、これまでの積立総額、大規模修繕の履歴、長期滞納者の状況なども仲介業者に確認し、次回の大規模修繕予定時期から逆算して、現在の積立総額が十分であるかを確認してみる必要があると思います。

修繕が十分に為されていないマンションは驚くべき勢いで劣化をしていきます。ランニング・コストの安さという幻に囚われないように注意をしてくださいね。

 

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