配られているチラシを見てみると、なんと高級マンション!
週末にJRの駅前を通ると、金融会社のティッシュ配りのお兄さんの横で、 満面の笑みでハツラツとチラシを配っているスーツ姿の男性がいました。
ティッシュ配りのお兄さんのクタビレ感とその横でかなり高いテンションでチラシを配る男性の姿があまりにも対照的だったこともあり、この男性は何のチラシを配っているのだろうと、少し興味を惹かれました。
そこで、男性のそばを通ってチラシを貰おうと近寄ると、さらにまぶしい笑顔で「新築物件を現地で販売しております!ご興味がございましたら是非お立ち寄りください!」と言われました。
「そうか、そうか。広告宣伝費をかけられない売主さんはたくさんいるから、お客さんになりそうな人に直接訴えかける戦法なんだな」などと思いながらチラシを開くと、 まず私の目に飛び込んできたのは、「160,000」 という数字でした。
「現地で販売しております」って言っていたけど、 私の聞き間違えで、賃貸物件の話だったのかな?と思い、改めてチラシをよく見ると数字の後ろに「万円」と書かれていて、しかもそれは大手ディベロッパーが売主になっているマンションの広告だったのです。
そうなのです。「16,000 万円」の物件のチラシを「おひとついかがですか?」というノリで配っていたのです!
このチラシを見て、「あ、安いねぇ~。じゃあ、ひとつ頂こうかな」などと思う人はいないだろうから、「こんなのは人件費の無駄!」とこの時の私は思っていました。
チラシには思いのほか効果があるらしい。
そこで、その大手でディベロッパーの販売担当者の知人に連絡をして、「あんなチラシどれだけ効果あるのぉ~」と疑わしい気持ち満タンで聞いたところ、意外なことに「いやあ、思いのほか効果があるんですよ」との回答でした。
担当者によると、 チラシを見た散歩中のご夫婦などが「通りがかり」に物件やモデルルームに立ち寄ってくれることが多いそうです。 物件やモデルルームでは、最初にアンケートを記載するのですが、そこに書かれた希望の立地、間取り、 広さ、 予算などを見ながら、チラシに記載されている以外の物件も含めて案内をするそうです。
「通りがかり」ながら、物件やモデルルームに立ち寄る人の多くは、ほんの少しでもマンション購入に興味がある人達なので、そこから話が広がることも多いとのことです。
確かに、物件やモデルルームで案内をする方が、新しいマンションを買った時の「臨場感」が活かせるので効果的なのかもしれません。
「16,000 万円の買い物をしてもらうのにチラシは無いだろう~」 という私の感覚をよそに、あの満面の笑みで配られたチラシは、まずは物件やモデルルームに足を運んでもらう為の勧誘ツールだったのです。
様々な形で行われる企業のマーケティング活動の幅の広さ、大変勉強になりました。
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