AIが入居者に対応するという流れ
私自身、個人的にAI に対して大きな興味と期待を抱いている人間であり、活用の仕方によっては非常に大きな助けになると思っているのですが、分野によっては「AIじゃない方がいいなぁ~」と思うものがあります。
その一つが「問い合わせへの対応」です。
もちろん、シンプルな問い合わせ、例えば資料請求や残高照会などであれば全く問題はないのですが、急ぎで知りたいことや、すぐに対応をお願いしたいことほど、AIでの対応が難しく、 こちらとしては「人! 早く人を出してくれ!」と思ったりします。
そんななか、どこかの新聞で「AI が入居者に対応」というタイトルの記事を見ました。
これは管理人の勤務時間外や清掃中で不在といった時に、入居者の様々な問い合わせにAIが対応し、管理人の人手不足にも一役買うというものです。(ちなみに日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語対応をしているとのことです。)
この分野におけるAIの導入は、どれぐらいメリットがあるのだろうか。
例えば、 私が「マンション全体が禁煙なのに、バルコニーでたばこを吸っている人がいます」とAI に伝えたところで、たばこを吸っている人のバルコニーだけスプリンクラーが起動してタバコの火を消火するわけではないので、おそらくAIで対応をできないことから、管理人さんに電話なり、テキストなりが転送されるだけなのではないでしょうか。
他にも、 「マンションのロビーにゴミが散乱しているので片づけてほしい」、「マンション前に放置自転車があるので対応してほしい」などと伝えても、はっきり言って留守番電話とあまり変わらず、AI導入のメリットがあるように思えないのです。
メリットがあるように思えないというよりも、むしろ至急の対応をしてほしいのに 「FAQをご参照ください」などと言われたり、「担当者にお繋ぎ致します」と言われてさんざん待たされた後に時間切れで「ただいま営業時間外により対応できませんので、営業時間内にご連絡ください」と言われるぐらいなら、 普通にコールセンターで対応をしてもらった方が利用者としては遥かに利便性が高いのです。
では、なぜわざわざ「AI」を使うのかというと…これはもう完全に「なんか売りになりそうだから」、「なんか先進的だから」ということだと思います。
もちろん、コールセンターや管理人さんへの「問い合わせ」の負担を軽くすることはできるのかもしれませんが、居住者からすると急いでいる時ほどチャットボットの定型的な対応 や、FAQ への誘導ではなく、人と話をして素早く対応をしてほしいのです。
もっとも、AIは凄まじいスピードで進化をしているので、対応できる項目は増えていくのだと思います。 例えば、クレームが多い家庭からの問い合わせには、すぐにコールセンターが直接対応するなど、状況は刻一刻と変わっていくのだと思います。
個人的にはすぐに対応をお願いしたいことばかりなので、マンションの問い合わせについては、人間による対応を希望しますが、管理人さんの人材不足という状況ということであれば仕方ありませんね。
そのかわり・・・今後マンション管理にAIを活用していくということであれば、人件費が抑えられるので、毎月払う管理費も将来的には安くするべきだと思います。
いづれにしても、AIが十分な入居者対応をできるようになるまでは少し時間がかかりそうですね。
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