スマホ決済のorigami(オリガミ)の実質破綻と付加価値

うまく行かない時
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公表されている企業価値の怪しさ・・・。

スマートフォン決済の老舗であるOrigami(オリガミ)がフリマアプリ大手メルカリのスマホ決済子会社であるメルペイに会社ごと売却しましたが、メルカリによる買収価格が「259万円」という車1台分よりも安い価格であったことが分かりました。

日経新聞が発表したOrigamiの企業価値は417億円となっていたことを考えると、タダ同然の安さだったと言えます。人によってこの事実に対する見解は分かれるのかもしれませんが、私はOrigamiが「フィンテック・バブル」に踊らされてしまったなと思います。

スマホ決済は便利だと思いますし、これからの社会インフラとしては非常に重要なのだと思います。しかし、社会インフラの整備に関連する事業は、市場においてプレセンスがある企業が参入すると、ベンチャー企業では対抗するのが難しくなってしまうものです。

従って、日経新聞が発表したOrigamiの417億円という推定市場価格はあくまでもOrigamiを「単独」で見た時の価値だったのだろうなと考えます。しかし、実際には同様のサービスを展開する企業は多く、その中には市場で良く知られている企業があることを考えると、やはり417億円という推定市場価格は膨張した数字だったのでしょう。

ここから学ぶべきは、企業評価やモノの価値の評価においては、その企業やそのモノの価値を単独で計るのではなく、同業他社や類似品ときちんと比較をして、「どのような付加価値があるのかを計る」必要があると思います。

例えばWeworkなども、冷静に考えれば、インターネットカフェやそこら辺にあるシェアオフィスと大差はないにも関わらず、働き方改革(この流れは日本だけではなく、欧米でもwork life balanceがかなり叫ばれています。)と相まって、「なんか新しい」というフワッとしたイメージで企業価値が暴騰したように思います。

しかし、長期的には利用者や投資家が「価格に見合った付加価値が無い」と気づき、同社の業績は凋落していきました。イメージ戦略を柱とするのであれば、もっとブランディングやマーケティング活動に力を入れて利用者のハートをつかむようなトライを行っていくべきだったのではないでしょうか。

興味深いのは、Weworkで店長として働いていた経験のある方に話を聞いたところ、「一時期、なぜあんなに支持されているのかが理解できなかった」とコメントしていたことです。店長クラスでも、自社の付加価値が分からない会社の業績が好調であり続けられるわけないですよね。。。

Origamiのリストラは全従業員のおよそ9割。

関係者によると、Origamiは185人の社員のおよそ9割にあたる160人~170を2月末を持ってリストラすることにしたそうです。会社が苦しい状況にあることを知らなかった従業員は少ないだろうから「寝耳に水です!」などと言うことは無いと思われますが、それにしても日本の会社のピンチにおける決断は遅いですね。

日本企業の多くは会社がピンチになってもすぐに更生法などの適用申請をすることはなく、資産を売却してお金を作ったり、取引先に支援をお願いしたり、銀行に借入金の返済猶予を貰ったりして、会社更生が認められる時にはすでに瀕死の状態です。従って、自力で会社更生をする余力は残っておらず、Origamiのように最低の条件で拾ってもらうしかないのです。

例えば、アメリカだと、かなり早い段階で白旗を挙げて会社更生法の適用を申請するので、会社として復活が十分可能なのです。もちろん、不採算事業の見直しなどを行うのですが、Origamiのような悲惨な最後を迎えることはありません。

ところで、私が個人的に気になるのは、リストラをされなかった1割にあたる人達のことです。彼ら・彼女達は会社に残ることで、果たして本当に自分が生み出す付加価値をキチンと理解しているのだろうか。

少なくともリストラされる9割の人は、転職の為に自分の付加価値について考えるチャンスを(強制的ながら)得ているのです。是非、今回のリストラをチャンスと捉えて、大きく前進してほしいなと思います。苦い経験は必ず人生の糧になりますので!

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